中島岳志(2017)、「親鸞と日本主義」、新潮社
Abridgment for Me
親鸞思想と国体論受容との関係、一般意思なき「国民」の誕生と、期待に続く絶望と煩悶、この時代に培われた精神に気づくこと無く忖度を重ねて作られた歴史について.
My Favorite Expression
親鸞は「自分は真理を知っている」「自分は正しい」と言う人にはめっぽう厳しく、「自分は真理を把握することなんてできない」「何が正しいかわからない」と悩み苦しむ人に、とびっきりやさしい.
「となりの親鸞」
My Impressions
ときどき想像するのだけれど、天下国家の動向の根っこには、やっぱり小さいひとりの人間の良く似た苦悩があるって教えてもらった感じです.そういうひとりひとりが、妙な具合に意気投合して、厄介な方向に時代がひきずられないように、結局念仏を唱えながら今日の一日を無事に過ごす、ということくらいしか思いつかないや.