よみむめも

正しい瞬間に正しいことばを見つけるために

菱木政晴(1993)、「浄土真宗の戦争責任」、岩波書店

Abridgment for Me
1990年4月の表白で「他力たのみたてまつる悪人、もっとも往生の成因な」る真宗の信仰に拠る自己批判がなされていないことに対する告発.


My Favorite Expression
「わが身のわろきをしることが仏法を聞いたことの利益だ」
「真俗二諦論自体が間違っていると告白するか、それを浄土真宗の中心としたことが間違っていると告白するかでなければどうにもならないのではないだろうか」
「宗教活動とは、宗教機能を用いて世俗的な目的を達せようとすること」

 

Intriguing References
歎異抄

 

My Impressions
薄い冊子に盛り込まれた過激な確信.ある種の被害者的表現の「加担」「協力」でなく、強気に媚び追従しない者たちを切捨てる教義を育てて来た歴史と、それに基づいて積極的に侵略戦争を進めた事実を反省すべきところが為されていない、と書いてあった.
靖国神社の教義、ここに手を合わせることの意味がわかりやすく解説されていた.この国家神道的価値観が、健在していることが色々な社会現象から思い浮かぶ.私の中にも知らずに浸透しているのはどの感覚だろうか?と振り返ってみる.
墓場に自分の嘘(歴史の欺瞞の一部)を持って行くことを止めないと、この先浸透し続けるのだろうな.